2020年はKendryteシリーズの当たり年となりそうです。
上期に第2世代「K510」が量産開始予定、そして下期に第三世代チップが発表予定です。

第2世代「K510」

第2世代「K510」は処理能力と電力効率が大幅に強化されます。
第1世代「K210」と同じく、28nmプロセス、RISC-Vマルチコア・ヘテロジニアス・プロセッサのアーキテクチャを踏襲します。
KPU(CNNアクセラレータ)の性能改善に加えて、「GNNE」という新しい演算モジュールも追加されます。

映像処理能力も強化されます。
K210はVGA解像度のシングルカメラ対応でしたが、K510は複数のHDカメラと深度カメラに対応します。
スマートリテール(無人コンビニ)やADAS(ドライバー監視)、金融(生体認証ATM)など、5G時代の新しい用途を狙った仕様です。

第3世代

2020年後半には第3世代が発表予定です。
12nmプロセスで、エッジデバイス用途だけでなく、クラウドコンピューティングにも対応する予定です。

ソース:
Canaan社 会社紹介
Canaan社 2019年度決算説明会(2020/4/9実施)
NASDAQ上場目論見書(2019/11/20付)

Arteris「FlexNoC」

米Arteris社は自社のIPコア「FlexNoC」がCanaanの次世代AIチップで採用されたと発表しました。
「FlexNoC」は配線設計を効率化するツールです。
Movidius(Intel)のMyraid、Mobileye(Intel)のEyeQ3/Q4/Q5、NXPのADAS SoC、東芝のテレビやADASのSoC、HiSilicon(Huawei)のKirin970など、パワフルな画像処理AIチップで採用されているIPコアです。

おそらくK510もFlexNoCを採用しており、画像処理能力が飛躍的に向上していると期待されます。

参考:
MobileyeやMovidiusのAIチップにも、ArterisのNoC IP | 日経クロステック
微細化に向かう車載半導体に注力 – SoCの配線IPコアを提供するArteris | マイナビニュース
Arteris IP Awarded “Best Ecosystem Partner of 2019” by AI Pioneer Canaan
Arteris FlexNoC® Licensed by Canaan Creative for Artificial Intelligence ASICs
Arteris IP Announces New FlexNoC® 4 Interconnect IP with Artificial Intelligence (AI) Package
ArterisIP Drives Artificial Intelligence & Machine Learning Innovation for 15 Chip Companies

ところでK210はデュアルコア仕様なのに開封解析したらRISC-Vコアが4つあったという情報がありました。
しかしK210は2018年にテープアウトした製品ですし、K510はプロセッサだけでなくペリフェラルも大幅に強化されているため、K210の焼き直しではなく、全面的に設計し直していると予想されます。
K210が2コアなのでK510は5コアになるのでしょうか?
RISC-V活用が浸透し始めた中国 – EE Times